“芸術や文化などを学ぶ学校に、学費の減免制度であるアートスカラシップを利用して通いたかったけれど、叶わなかったため奨学金を利用したという人もいるでしょう。たとえアートスカラシップに対象になれなかったとしても、経済的なことを理由に学校に通うことが難しいからと進学をあきらめてしまうことなく、希望する学校に進学し学ぶことができるため奨学金制度は役立ちます。
しかし給付型の奨学金でないのなら、借りた奨学金は全額返還する必要があり、利息を付けて返さなくてはならないことも少なくありません。とはいえそれぞれの人の状態によっては卒業後に仕事をしながら生活をし、さらに奨学金を返すことを難しく思われることもあるでしょう。
しかし大分には芸術の学校に通っていた場合の、奨学金の返還支援制度があります。もちろん誰でも利用出来るというわけではありませんが、大分の出身者でなくても利用することが出来るのが魅力です。
この大分県の奨学金の返還支援制度は、県内での芸術や文化に関連する産業へ就職してそのまま定着する人を増やすことを目的におこなわれています。対象となっている人の要件にはいくつもあり、すべて満たす必要があります。その1つは平成31年と令和2年の3月に大学などを卒業して、さらに県内で6年間継続して働くことが見込まれるということです。ただしどんな職種でも良い訳ではなく、イラストレーターやグラフィックデザイナーなどをはじめ、建築関連や音楽関連などの芸術や文化に関連する職種という決まりがあります。
さらに大学や短期大学・大学院もしくは、高等専門学校に通っている間に指定の4種類の奨学金の中でどれかを借りている人という要件もあります。また事前に登録をしておく必要もありました。
補助される金額は就職して以降の6年間で、最大122万4千円の奨学金の返還支援が受けられるのが魅力です。大分出身でなくてもこの土地に住みたいと考えている人であれば、嬉しい制度ではないでしょうか。
残念ながら今回の申請に関しては既に募集が終了していますが、今後もこのような支援制度が行われた際には利用可能であれば検討をしてみると良いでしょう。奨学金の返還支援制度を設けたことで、大分ではデザイナーや美術スタッフ、建築士などの芸術や文化の関連産業に就業する人材が増えたはずです。今後は大分県がどのような文化的な産業を展開していく地域になっていくかに注目が集まります。”