ひな祭りの芸術作品
ひな祭りは、日本における女の子の健やかな成長を願うお祭りです。ひな人形は、職人の手により1体ずつ制作されており、美しく精密な技巧が施されています。まるで美しい芸術作品を見ているようです。ひな人形の生産地は関東地方に多く、特に有名な場所として埼玉県のさいたま市岩槻区や、埼玉県鴻巣市の伝統工芸品である鴻巣雛が有名です。近代関東三大ひな市(鴻巣、越谷、江戸十軒店)の一つとして数えられます。鴻巣市で作られている人形は、江戸時代から約400年の歴史を持つ工芸品として広く知られており、埼玉県の伝統的手工芸品にも指定されています。
現在、人形の街鴻巣には、昔からの伝統店や、革新的な人形店など様々な店が揃っています。江戸時代から続く老舗のひな人形店もあれば、小道具や頭など部位別に制作をしている専門店、近代的な事業を進める人形店など様々なニーズに応えるお店があります。伝統ある鴻巣雛の芸術を、現在に伝える店舗がずらりと並んでいるのです。街を訪れれば、長い伝統を感じるとともに、新しいスタイルのひな人形も見ることができます。伝統が引き継がれるからこそ、その中で新しい芸術も生み出されています。鴻巣市では、広く鴻巣雛を表現するツールとして、鴻巣びっくりひな祭りが知られています。このお祭りは、〜ひな人形のふるさと鴻巣〜を宣伝や、町の活性化を目的として毎年開かれているお祭りです。
2020年の開催で16回目を迎え、全国的にも有名なお祭りとして知られています。このお祭りでは、美しいひな祭りの芸術作品を堪能することができます。その有名な作品が、“ひな人形で飾る日本一高いピラミッドひな壇”です。高さはなんと7メートルもあり、31段で構成されています。その一段一段に、人形が敷き詰められおり、一度に鴻巣市で作成されたひな人形を見ることができます。その圧倒的なスケールに、長い歴史を持つ伝統工芸品の美しさ、現在まで語り継がれる優美な芸術作品を堪能することができるでしょう。
またピラミッドに置かれているひな人形は、鴻巣市民だけでなく全国から、家庭で眠っている人形を提供することで集まっているそうです。ひな人形は1体ずつ、表情も全て異なります。だからこそ感じることができる美しさがあるでしょう。またピラミッドに飾られているひな人形は、約1,800体にもなります。このピラミッド以外にも、他の会場でもお祭りの展示は行われており、全て含めると1万体以上にもなります。ひな人形の全てを感じられ、思わず立ち尽くしてしまう程の美しさがあります。