伝統芸術の専攻がある大学
伝統工芸の職業に就きたいと考えた場合には、さまざまな方法をとることになるでしょう。一つ目は直接職人や工房などに弟子入りをする方法です。もう一つが企業や都道府県などが運営している養成施設に通って技術を学ぶ方法、そして三つ目が専門学校や大学などにある、職人養成コースなどに通って学ぶことです。日本には数多くの伝統芸術を学ぶことができる専門学校などがあります。その中でも芸術科をはじめとした伝統芸術を専攻している大学をご紹介いたします。
まず第一に挙げられるのが、京都伝統工芸大です。継承された伝統工芸の技を学ぶことができる学校で、伝統工芸の技術を身につけて、工芸などのプロを目指すことができる学校です。国と京都府の全面的な支援を受けて誕生し、全国でも卓越した技術力に、伝統継承するだけではなく、将来への可能性も大きく広がっているといえるでしょう。
二つ目に挙げられるのが東京上野にある東京芸術大です。東京芸術大の工芸科は、1889年に開校した東京美術学校の専修科美術工芸として始まりました。1975年に組織が改められ、陶芸や染め織、彫金などの基礎や専門の過程となっています。その後1995年には木工芸が、そして2005年にはガラス造形が大学院に開設され、現在に至る歴史を持ちます。工芸科では基本を学びながら、現代の多様化する社会における価値観や技術なども吸収しつつ、さらなる発展につながる能力を身につけたアーティストを要請するとしています。工房制作を中心とし、少人数制による個人指導が行われ、実技の修練や創造性の開発につながります。また国際交流や地域連携などにも力を入れている特徴があり、工芸科としての特色を生かしながら、研究活動や社会活動にも力が入れられています。
三つ目は東京都小平市にある武蔵野美術大です。武蔵野美術大の前身の学校が帝国美術学校です。ここでは日本画科や西洋画科など三つの科から始まりましたが、現在では11学科に対応しています。近年では造形を学ぶ意欲のある高校卒業以上の学歴を持つ人を対象にし、長い教育実績を持つ通信教育課程も設けられています。様々な人たちの夢に近づくことができる入り口を、多彩に用意している学校と言えるでしょう。
そのほかにも神奈川県横浜市にある横浜美術大や、石川県金沢市の金沢職人大学校など、さまざまな学校が存在しています。それぞれに特色があるので、比較してみると良いでしょう。