志の高い学生を支援するために数々の奨学金制度があります。支援主体としては海外の政府や日本の政府、財団などがあります。財団には資産を持つ個人が設立したものや企業が設立したものが存在します。
芸術科・芸術系奨学金で例を挙げれば、公益財団法人の日本文化芸術財団の奨学金があります。これは1996年に開始した日本文化芸術奨学金と、2012年に加藤定育英会の事業を引き継いだ加藤定奨学金の2種類からなります。どちらも日本文化芸術財団のホームページから一般要項を見ることができます。また申請手続きについてもチェックできますし、応募要項などを請求することも可能です。
前者は大学院生が対象で、給付額は1人あたり50万円です。返済の必要がないタイプであり、他の奨学金と合わせて受給することが認められています。採用人数は6人で、将来的に芸術分野での活躍が期待されることが条件です。
後者は学部の2年生と3年生が対象で、給付額は1人あたり30万円です。こちらも返済の義務がなく、他の奨学金との併給が可能です。採用する人数は6人で、意欲旺盛ながら経済的理由で就学に問題がある学生が対象です。
どちらも応募方法がホームページから確認可能です。各種の書類を提出し、選考を受ける必要があります。選考委員は、大学教授や評論家、美術館のキュレーターなどが務めます。ただ受給するだけでなく報告義務を負うことに注意が欠かせません。卒業するにあたって取り組んだ制作や論文を報告するのです。日本文化芸術奨学金の受給者一覧は毎年公表されます。指名や生年、専門をはじめ取り組んでいる課題や大まかな目標についても明らかにされます。選考方法については概要だけで、詳しくは明かされていません。また応募数などの情報も不明で、結果は応募者に対して文書で通知されます。